今日は、雨だし寒いしということで、どこへも行かず読書をしたり、企画書書いたり。
今日読んだ本は、日産とルノーのCEOを兼務するカルロス・ゴーン氏の新著、「ゴーン・テキスト(英題 “Go Global!”)」。氏の著は、日産がV字回復を果たした直後に立て続けに出た「カルロス・ゴーン経営を語る 」や「ルネッサンス ― 再生への挑戦」などを以前すでに読んでいたが、装丁がかなり恰好良かったのと、日産の社内会議の録音ががついているということで購入。
社内会議というのは、新しい会社憲章「日産ウェイ」を決めるために2005年に開催された経営陣合宿。広報的にかなり編集してカットしているとは思うが、これが結構生々しい。ゴーンさんは声のトーンは記者会見とかと同じで非常にゆったりとしていて優しく感じるが、内容は厳しい。「一度倒産しかけたという事実を忘れちゃだめだ」とか「少しでも後戻りするような気持ちを持ってはだめだ」とか他の経営メンバーの言うことをばっさりとやる。99年当時からこういう雰囲気で会議をしていたのかまで推し量ることはできないが、すべて英語だし、緊張感ある。歴史ある巨大企業の経営会議の様子を垣間見れたという感じで少し得した気分。
本の内容で私が一番激しく首肯したのは「優れた商品さえあれば、解決できない問題はない」という下り。日産はゴーン氏がCOOに就任して一年で黒字化できたわけですから、当然その短期間で商品の品質やブランド力が大きく変わったわけではなく、そのほかの要素を劇的に変えたことが大きな要因だったのでしょう。つまり最初からいい製品は作っていたのに、他のさまざまな要素がうまくいっていたなかったということなのでしょう。
私も「商品・製品ドリブン」で常にものを考えます。どんなに儲かっているとしても、商品や製品自体の力ではなく、他の要素でそれが実現されているとしたら私はあまりうらやましいとは思いません。逆に、まだ収益的には厳しいとしても、製品自体に力があるとき、例えば、何か大きな社会問題を解決できるとか、既存の製品と比較して性能が格段に良いとか、新しい文化を築くためのプラットフォームになる可能性があるとか、そんな製品を持っている会社のことはうらやましく思います。まだまだ時間はかかると思いますが、ジェイマジックもそんな会社にしていきたいと思います。