日経ビジネスの記者が任天堂の経営に関してまとめた本。
DSやWiiの成功はもちろんのこと、最近では「メイドイン俺」によるCGMへの参入、「うごメモ」のよるネットとの連携、「Wiiの間」ではいよいよテレビの世界、と注目しても注目しきれないくらい新しい取り組みを連発している任天堂。
「取材をあまり受けない」というのは有名ですが、ここまで詳しく経営や経営者の人となりについて描かれた本はこれまでになかったみたいですね。面白いです。掛け値なしに。AppleとかGoogleもいいけど、やっぱり任天堂リスペクトです。
コネタですが、従業員一人当たり利益は
・グーグル 62万ドル
・ゴールドマン 124万ドル
・任天堂 160万ドル
だそうです。今のレートだと1.5億円くらいですかね。。グーグルの三倍近い。。すごい。
現社長の岩田さん、最近だとWii Fitで有名な宮本さん、三代目社長山内さん、それとかの有名な横井軍平さんについて詳しいです。
特に、横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」は改めて名言ですね。
「本来、娯楽って枯れた技術を使って人が驚けばいいわけです。別に最先端かどうかが問題ではなくて、ひとが驚くかが問題なのだから」
横井さんの最初の作品のエピソードもいかしてます。
「ウルトラハンド」(あのビヨーンとのびるあれです)というおもちゃなのですが、横井さんが入社すぐに暇つぶしに旋盤でおもちゃを作ってたら、たまたま通りかかった山内さんが「任天堂はゲーム会社なのだから、ゲームにして商品化しろ」といきなりのたまって、本当に商品化。100万代の大ヒットになったそうです。横井さんの才能もすごいですが、山内さんの「直感」もすごい。
「花札」の会社だった任天堂が、タクシー会社や食品会社に多角化して経営の危機に瀕して、そこから「娯楽フォーカス」にふり直して、ゲームウォッチのヒット、ファミコンのヒット、それでも、NINTENDO64の失敗、そして今のDS/Wiiのダブルメガヒットと。
さすがに120年続いている会社はドラマがあります。