【本】 最高指導者の条件

「仁政に不可欠な惻隠の情」

古来、愛や寛容、同情、憐憫というものは、文学や道徳、哲学、宗教などいずれの観点から言っても最も根本的な観念の一つであった。とりわけキリスト教文化圏では、この観念をめぐって、あらゆる思想が展開した。実際、これらの観念は指導者に求められる最高の徳といってよい。
東洋にも「仁」「慈悲」という思想があり、孟子は「惻隠の心は仁の端(はじめ)なり」と説き、「人を慈しみ哀れむ同情の心」から「愛」への展開を論じている。また、墨子も「天下互いに兼愛すべし」と主張し、新族と他人を区別しない「平等の愛」を唱えた。
(中略)
また「王は国家の第一の召使である」と唱えたヨーロッパ・プロシアの名君、フレデリック大王や、「国家人民の立てる君にして、君のために立てたる国家人民には無之候」と宣言した米沢藩主・上杉鷹山の例を見ても、政治指導者に求められているのは、まさに「仁政」であり、「惻隠の情」であることがわかる。

李登輝 – Wikipedia

【本】 朝令暮改の発想

先日の一橋の野中先生の講演で紹介されていた、セブンイレブン創業者の鈴木さんの近著。

IT関連や製造業とか以外は、正直あんまり本を読んだことがなかったですが、かなり新鮮でとっても勉強になる言葉ばかりでした。コンビニという新しいカテゴリーを作り出した先駆者として、今はその業界のリーダーとして日々の積み重ねでいろんなイノベーションを生み出すための考え方が紹介されています。

鈴木さんのすごいところは、どんなに小さなことでも「トコトン」「妥協せずに」こだわり続けるということです。

例えば、私もかなりの頻度で食べている赤飯のおにぎりですが、ほぼ販売開始の段階までいっていたのを、味にこだわって、設備自体から見直させ(そもそも蒸し器がなかったのを蒸し器を導入)、大ヒットにつなげた話とか、セブン銀行参入の際に、通常800万円するATMを、根本から見直して、200万円で作らせた話とか、本当に妥協なし、という感じです。

副題にあるとおり90個の教訓があるのですが、私が印象残ったのは、

・顧客が飽きるほどのクオリティの商品を供給し続ける(インパクトがあるものは飽きられやすいが、それを連続して出す)。
・「顧客のために」ではなく「顧客の立場で」考える。
・現代の消費は「心理学」で考えないといけない。明日の顧客が求めるものは見えないけど、心理の中に潜んでいる。
・アルバイトにも権限移譲する。発注の責任を持たすことでモティベーションが変わる。・競争相手は競合ではなく、変化する消費者のニーズ。
・顧客のニーズはわずか4週間で変化する。
・顧客自身に「こんなものが欲しい」というのがない時代

などなど。

あとがきに「「挑み続ける生き方」が人間にとって一番大切な財産。セブンイレブンという歴史的な事業も運がなければ始まらなかったし、その運を運んでくるのは挑戦。小さなチャンスをつかむために、一日一日が真剣勝負」という趣旨のことが書いてあります。これだけ大成功されている方の話だけに重みあります。

われわれベンチャー、もっともっと頑張らねば。

Amazonが、画像認識のsnaptellを買収

あまたある画像認識プレイヤーの中でも事業内容がかなりジェイマジックに近い米snaptellが、Amazonに買収されました。

TechCrunch : 画像認識のSnapTellをAmazonの検索技術子会社A9.comが買収

snaptellは、2006年にStanfordやUCバークレーのOBが中心になってシリコンバレーで創業されたベンチャー企業で、創業者はシリアルアントレプレナーのGautam Bhargavaです。

snaptellが最近脚光を浴びたのは、商品検索のiPhoneアプリで、ジェイマジックが「Magic Loupe」という名前でウィルコムのW-ZERO3に提供させていただいたアプリと全く同じ機能で、商品パッケージをカメラで撮影するとその商品がAmazonや近所のお店でいくらで売ってるかがすぐに表示されるというものです。

ただ、もともとは企業向けのマーケティングソリューションがメインで、クライアントリストにもP&GとかDELLとか名だたるブランドの一覧が出ていますが、「雑誌などの広告をケータイで撮るとキャンペーンページへ誘導する」というソリューションを代理店と組んでアメリカで展開しまくっていた会社でした。

iPhone向けの商品検索アプリといい、企業向けのマーケティングソリューションといい、かなり商品ラインがかぶっているのでとっても親近感を覚えていました。

今回、商品検索という意味では本命中の本命、Amazonに買収されたということで、今後の展開がとっても興味あります。

iPhoneアプリが強化されることは間違いないでしょうし、Kindleなんかとも連携したりするといよいよ夢のようなアプリケーションが実現できそうです。

「巨大なデータベース」をもつAmazonと、「リアルとモバイル」とをつなげるsnaptell。これからの動きが楽しみですね。。

デジタルサイネージジャパン@幕張

今日から開催のインターロップと同時い開催のデジタルサイネージジャパン、参加してきました。

この間のリテールテックとほとんど顔ぶれ同じなので新しい展示はほとんどありませんでした。。
ただ、会いたかった方と名刺交換できたので収穫ありです!!

geeks on a plane

今日は、本荘さんのお誘いで、シリコンバレーの投資家の方々のツアー「geeks on a plane」というイベントでプレゼンしてきました。

これからの展開に関して、中国の方からとっても興味を持ってもらえたみたいで、すごい質問されました。。
この後、また参加するので楽しみ。
#最近英語しゃべる機会がほとんどないので、プレゼンはちょっぴり疲れました。。

【本】GMとともに

ついにGMがChapter11になりましたね。

ここ数年はすっかり死に体というイメージでしたが、中興の祖アルフレッド・スローンが書いた大著「GMとともに」にあるように、世界に先駆けての「事業部制」「業績評価」などの導入など、一時期は先進的な企業としてもてはやされた時期もあったわけです。

今回のニュースを受けて、この本をパラパラと読み返してみましたが、1960年ころの組織図を見てもとてつもなく大きなGMがあっさりと破綻してしまうというのはなんともはや。ハマーの売却決定とか、矢継ぎ早に処理のニュースが出てきていますが、なんとも感慨深い気持ちになってしまいます。

E3 : Xbox360 Project NATAL

日本では全く音沙汰のないXboxですが、今回E3で発表したモーション操作のアクセサリ「NATAL」はなかなかすごいです。
昔ソニーがやってたeyeToyを思い出さなくもないですが、全然進化してて、モーションも手の形まで認識するみたいだし、顔認識してログインできたりチャットできたり、音声認識も当然できます。 ここまで来ましたね~。

2分20秒くらいのところにある、顔認識→洋服着せ替えのところなんか格好いいなぁ。

記事は、engadgetが詳しいです。
engadget : 速報:E3 2009 マイクロソフト基調講演
動画:Xbox 360のモーション操作アクセサリ「Poject Natal」発表

【本】 任天堂

日経ビジネスの記者が任天堂の経営に関してまとめた本。

DSやWiiの成功はもちろんのこと、最近では「メイドイン俺」によるCGMへの参入、「うごメモ」のよるネットとの連携、「Wiiの間」ではいよいよテレビの世界、と注目しても注目しきれないくらい新しい取り組みを連発している任天堂。

「取材をあまり受けない」というのは有名ですが、ここまで詳しく経営や経営者の人となりについて描かれた本はこれまでになかったみたいですね。面白いです。掛け値なしに。AppleとかGoogleもいいけど、やっぱり任天堂リスペクトです。

コネタですが、従業員一人当たり利益は

・グーグル 62万ドル
・ゴールドマン 124万ドル
・任天堂 160万ドル

だそうです。今のレートだと1.5億円くらいですかね。。グーグルの三倍近い。。すごい。

現社長の岩田さん、最近だとWii Fitで有名な宮本さん、三代目社長山内さん、それとかの有名な横井軍平さんについて詳しいです。

特に、横井軍平さんの「枯れた技術の水平思考」は改めて名言ですね。

「本来、娯楽って枯れた技術を使って人が驚けばいいわけです。別に最先端かどうかが問題ではなくて、ひとが驚くかが問題なのだから」

横井さんの最初の作品のエピソードもいかしてます。
ウルトラハンド」(あのビヨーンとのびるあれです)というおもちゃなのですが、横井さんが入社すぐに暇つぶしに旋盤でおもちゃを作ってたら、たまたま通りかかった山内さんが「任天堂はゲーム会社なのだから、ゲームにして商品化しろ」といきなりのたまって、本当に商品化。100万代の大ヒットになったそうです。横井さんの才能もすごいですが、山内さんの「直感」もすごい。

「花札」の会社だった任天堂が、タクシー会社や食品会社に多角化して経営の危機に瀕して、そこから「娯楽フォーカス」にふり直して、ゲームウォッチのヒット、ファミコンのヒット、それでも、NINTENDO64の失敗、そして今のDS/Wiiのダブルメガヒットと。

さすがに120年続いている会社はドラマがあります。

SAYL活用事例:映画「天使と悪魔」プロモーション(スタンプラリー)@ファッションビル

先週、弊社の画像認識プラットフォームSAYL2(セイルツー)を使って、面白いプロモーションが行われたのでご紹介をしたいと思います。

新しくSAYL2の販売パートナーとなっていただいた日立九州さんが手掛けられた案件で、福岡のファッションビル「イムズ」というビルのフロアを活用して、現在上映されいる大ヒット映画「天使と悪魔」のプロモーションが実施されました。

残念ながら現地にはいけなかったのですが、簡単に企画の概要を書くと

・ ファッションビルの1Fのイベントブースでイベント告知。
・ 参加者は、ビルの中に隠された暗号をケータイカメラを使って探していく(ここで弊社のSAYLの認識機能により、あたり外れが判定されます)。
・ ミッションコンプリートして、1Fのイベントブースに戻ってくると、豪華賞品が当たる!!

というものだそうです。

企画としても面白いし、場所を貸すファッションビルとしても参加者のビル内での回遊を促すことになって、いいことずくしですよね!!

是非、どんどんこうした「リアル連動プロモーション」で、弊社の画像認識プラットフォーム「SAYL2(セイルツー)」をご活用いただければと思います!!